今泉今右衛門人間国宝認定 |
十四代今右衛門さん、人間国宝に 陶芸で史上最年少
人間的にも素晴らしい今右衛門さんの人間国宝認定に心より嬉しく思います。
文化審議会(宮田亮平会長)は18日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に色絵磁器の陶芸家十四代今泉今右衛門氏(51)=西松浦郡有田町=ら7人を認定するよう下村博文文部科学相に答申した。十四代今右衛門氏は父の十三代(故人)も人間国宝で、陶芸分野では史上最年少となる。佐賀県在住の人間国宝は、白磁の井上萬二氏、青磁の中島宏氏、木版摺更紗(もくはんずりさらさ)の鈴田滋人氏を含め4人となり、故人を含めると7人目の認定になる。
十四代今右衛門氏は、十三代今右衛門氏(1926~2001年)の次男に生まれ、武雄高-武蔵野美術大工芸工業デザイン学科(金工専攻)卒。福岡のインテリア会社を経て、京都の前衛陶芸家鈴木治氏の下で2年半修行した。1990年から十三代に師事し、十三代の死去に伴い2002年に十四代を襲名した。
伝統の色鍋島を中心に、十三代が確立した「吹墨」や「薄墨」の技法を受け継ぐ一方、白化粧を施す「雪花墨はじき」や新たな上絵技法「プラチナ彩」など、色絵磁器の表現で新境地を切り開いた。
作品は日本伝統工芸展を中心に発表。1998年に最高賞の日本工芸会会長賞、2008年にMOA岡田茂吉賞工芸部門優秀賞、09年に紫綬褒章、11年度日本陶磁協会賞を受賞した。色鍋島今右衛門技術保存会会長として技術保存にあたるとともに、日本工芸会理事や佐賀県陶芸協会副会長も務め、陶芸界発展や後進指導に尽力している。
答申では「色鍋島の伝統技法に自らの創意を加え、新たな作風を確立した。現代感覚にあふれ、芸術的にも優れている」と高い評価を得た。
文化審議会は、今右衛門氏のほか、能囃子(はやし)方太鼓の三島元太郎氏(78)▽刀剣研磨の本阿彌(ほんあみ)光洲氏(75)▽能シテ方の梅若玄祥氏(66)▽古典落語の柳家小三治氏(74)▽彫金の山本晃氏(70)▽木工芸の須田賢司氏(60)の認定を求めた。今秋に認定される見通し。存命中の人間国宝は116人で、今右衛門氏は最年少。故人も含めた累計認定者は347人になる。佐賀新聞より抜粋